Diary

楽しい生活

大きな物語が回収できない燦めきを拾い集めること

就活。婚活。終活。

人は、「○活」に追い立てられ、社会的に必要とされるライフステージを順番にクリアしていくことでしか、自分の人生に自信を持つことができないのでしょうか……。

こうバカにしても、私は大学3回生。就職をしなくても生活していけるような身分でもありません。嫌々ながら、就活システムに自分から組み込まれ、何とか雇ってくれる企業を探そうとしています。

就職活動で、ある企業を受けたいとなった場合、まず始めに提出しなければいけないのがES、つまりエントリーシートエントリーシートとは、履歴書+志望動機書のようなもので、「志望動機」「自己PR」「学生時代に最も力を入れたこと*1」がエントリーシートの3大質問と言われています。

ある企業の説明会に行ったところ、エントリーシートの書き方講座が開催されたのですが、エントリーシートのコツは、論理だった一貫性のある文章を書くことだそう。

つまり、質問Aから解答Bにたどりつくまで一直線の文章を書かなくてはいけない。順序だって物語が進んでいかなければいけない。枝葉末節は捨象されなけれないけない。(siyou と syasyou で韻踏みました)(韻も踏んではいけない)。

まあ確かにそりゃそうだと思うんですが。ビジネスで必要なのは。プレゼンの途中に、通勤中に見た鳩の話も、昨晩ラジオから流れた曲の話もしませんしね。

でも、人生の大きな物語に回収されないことーーそれは、通勤中に見た鳩だったり、昨晩ラジオから流れた曲だったりーーが、むしろ「人生」なんじゃないかなあと私は思うのです。そして、大きな物語ーー出世とか、自己実現とか、幸せな家庭とか?ーーより、その小さな燦めきを拾っていくことに生きる意味を見出したい。なんて思っているので就活が迷走中なのです……。

「星を見るとかして」によって代表されるような、それだけでは物語性をもたない純粋に詩的な燦めき

池澤夏樹スティル・ライフ』 須賀敦子の解説より

 

スティル・ライフ (中公文庫)

スティル・ライフ (中公文庫)

 

増補 思春期をめぐる冒険:心理療法と村上春樹の世界 (創元こころ文庫)
 

 第1章「物語の力」に、村上春樹の作品を題材に人生における「物語」について書かれています。

www.webchikuma.jp

千野帽子は『文藝ガーリッシュ』を読んでからちょくちょくチェックしてます。webちくまの連載も読んでましたが本も買いました。

人生を大きな物語に回収するときに、こぼれ落ちる燦めきがある。それが私にとっては大切にしたいことです。どうせ「物語」は過去に起こった事象を後から納得するために作られるもので、大抵が後づけなのですから(千野帽子によれば)。

 

*1:略してガクチカ。なんでこの業界(就活斡旋業界)はいちいちカタカナ4文字に略すんだろう……。